「そろそろ帰ろうと思って呼びに来たんだけど。鈴、かばんは?」


「ぁ…家庭科室だ!先に行ってて?」


「じゃ、下駄箱で」


いったん陽介と別れた私は家庭科室へと引き換えしていった。


私の名前は白峰鈴。何もない高校三年生だ。


たしか…高校に入った頃は夢と希望であふれてて、毎日が輝いて見えてたと思う。


これからもっともっと楽しい事が待ってるんだなーって思ったらドキドキした。


そんなことももうずいぶん前の話だったような気がする。


何十年も前みたいな、そんな感覚に陥る事がある。


…っとそんなことを思いながら家庭科室についた私はドアを開けた___