あの日､僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

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「うーおー？！また派手にヤられたな？大丈夫か？」


幸次達と合流して早々に突っ込まれる暴力の痕。父親から受けている虐待は別に隠していなかったので、この遣り取りも日常茶飯事。


「今日は俺ん家か幸次のところに泊まるか？」
「や、大丈夫」
「ほんとうに？」
「……家に帰らなかったら、今度は母さんが、…暴れ、そうだし」


口の端で赤黒く固まる血の塊を触りながら、らしくもない。モソモソと俯いて話した。それは照れくさかったのか、なんだったのか。


「ぶっは！千秋ン家の母ちゃん最強だもんなー！そっかそっか、ならいいんだ。でもしんどかったらいつもで逃げて来いよ？」
「だな。うちも婆ちゃんと二人だし、遠慮せずになんだって頼ってくれたらいい」

「「だって、親友だろ？」」


下げた頭が、上げられない。深く深く思い返してみれば、この時だってちゃんと信じられていた。人の温かさ、優しさ、友。

だからこそ、美菜をどうこうとも思っていなかったのに。