あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─



真夜中の千社守祭。

それぞれの家でどうにか理由をつけて、とは言ってもどちらにしろ大人達は居ないのであまり関係はない。親が帰って来る前に自分達が家に戻ってさえいれば良いだけの話なのだから。

久しぶりに高揚する気持ち。大人が子供を遠ざける理由、意味。

想像するだけでもワクワクするじゃないか。こういったところは年相応に子供っぽいなと思う。実際、子供なのだけど。

俺達は草木の間に隠れてジッと待った。村の秘密の祭りを。大人達の楽しみを。暴いて、ネタにして、遊んでやろうって。

軽い気持ちで。


「……はじまるみたいだな」


境内の本殿に向かって佇む人々の影が、音もなく一斉に移動する。

そうしてその影がこちらを捉えたと同時に、俺の後ろで綾と美菜が声にならない引き攣れた悲鳴を短く上げた。


「っ、……なん…だ、これ」


いつもは冷静な聖も珍しく狼狽え、震える手で口を覆うと、数歩あと退(ずさ)ってそのままゆっくりと両膝を地面に落とす。そんな聖を尻目に、俺も知らずゴクリと生唾を飲み込んでいた。

それは、幼かった俺達には刺激の強過ぎる光景。