あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

千社守祭は至って普通の祭りだった。

もっと幼かった頃に母親に連れられて参加したこともある。今回のように友人同士で参加したこともある。勿論、同じメンバーで。だからこそ代わり映えのしない内容に〝つまらない〟なと思った。

商工会のテントを使ってのありきたりな屋台に、盆踊りや手持ち花火、カラオケ大会にビンゴ。どこにでもある田舎の小さな祭り。


「マッジで酷えのな!」


一つ、今年の変わり種と言えば幸次の飛び入りでのカラオケ参加ぐらいだろうか。村で一番煩くてしつこい、駄菓子屋のおばさんのマイクを奪ってアカペラ熱唱。うん、これはちょっと面白かった。


「や、そこは遅刻した幸次が悪くない?」
「なにが?!」
「私ちゃんと言ったよね、罰ゲームって」
「ゔ、まあ、そーだけどよお!」


早紀と幸次の遣り取りに耳を傾けながら、笑う残りのメンバー。


「まあ、カラオケぐらいで良かっただろ。千秋、もっと酷いをこと考えてたのにって残念そうな顔してたし。早紀に救われたな」
「そうそう、幸次は私に感謝すべき!」
「あぁん?なんっか納得いかねえ!……いや、でもマジでこれで良かったんか?良かったような気がしてくんな??」
「深く考えンな、幸次」