あの日､僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

＊

同日、夕刻過ぎ。

どこか淋しさを覚える空に見降ろされた田園風景。実り過ぎた稲穂も物悲しい色彩の侵食に耐え切れず、項垂れているように見えた。


「おーし！みんな時間ピッタリだなー」
「幸次ってば自分だけ遅刻したクセによく言うよね」


それでも、此処だけは温かで明るい。


「はい、バッツゲーム！罰ゲーム！コージは罰ゲームけってーい」
「ははははは」
「笑いごとじゃねえよ！聖いい！」


太陽が残した陽だまりとでもいうべきか。それぞれの笑顔が眩しくて、温かい。いつまでもここに留まっていたくなるような幸福感。


「お祭り、始まっちゃうよ？」
「じゃあ俺らはさっさと行こうか。幸次だけ置いてなー」
「ちょ、ま、千秋まで？！ひでえ！」
「こーちゃん、ドンマイ」
「美菜も！」


大声で喚く幸次の後ろでは、色鮮やかな花や金魚、鞠がふわふわと踊り、嬉し気に通り過ぎて行く。カランコロンと音が鳴る成る。