色々と確信めいた質問もされた。けど、当たり障りのない事柄だけをそれらしく述べ、俺はその場を凌ぎ切った。事情聴取が終わった後の俺達は、揃いもそろって同じような顔をしていた気がする。


「早紀のこと、聞いたか?」
「……ああ」


再び三人で集まった聖の実家の縁側で、肩を寄せ合って空をぼうっと眺める。交わす言葉の覇気はない。嘘みたいに真っ赤に染まった夕陽が、深い緑から色を黒へと変えた森へと消されてゆく。

まるで自分たちの心のように。


「次こそ、俺かな」
「馬鹿、弱気になるなよ」
「でもよ……」


いっそ此処から逃げ出せたなら。

なんて、無駄な足掻きだ。綾は俺や聖や幸次と同じで地元を捨てた。けれど殺されて、ご丁寧に実家の近くにまで運ばれている。

そして早紀。彼女は家の事情でどうしてもこの土地から離れることが出来なかった。そんな早紀もやっぱり殺されてしまった。

離れていても、近くにいても、結果は同じ。