あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

 
「ごめんな千秋」
「…ひじっ」
「な、お願いだから。生きて、悔いて、償ってから死んでくれ」


聖の言葉を理解するよりも早く、再び首筋に感じる温かさ、いや冷たさ。その夏にそぐわない冷え切った体温で細く力を圧してくる。


「…っ゙……ぐっ!」


自分の肉に食い込むものへ指をかけてはみても、不意打ちの殺意に反応が遅れて結局はなすがまま、動けない。遠くなる意識の端で、ゆらゆらと揺れる白い影が見えた。ずっと、不確かだった。その、

存在に〝確か〟に触れた刹那。


「パパ」


全身を貫いた二文字が、物語の終幕を告げた気がした。


「………み、な?」


じゃない。遠くで聖が切なく笑う。

ああ、ああ…、そうか、そうだったんだ。――彼女は俺の罪。