あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

その刹那。

緑に潜む、歪で無邪気な笑みを見逃すことなんて出来やしなかった。いや、例え俺が見逃していたとしても、向こうが赦してくれる筈もない。俺は、俺達は。目の前にいる少女の顔を、誰よりもよく知っている。姿形は幼いけれど、あの子は間違いなく、


「………美、菜」


それは、自分達が犯した罪。震える唇から作られた名前に、少女は答えを確信させるかの如く、より一層歪な笑みを浮かべた。


「《ひとごろし》」


細く、白すぎる腕をゆらゆらと揺らし、その指先は俺と聖の心臓を貫いていく。バカみたいに噴き出していた汗は瞬時に引き、かわりに恐怖と鳥肌を与えてくれた。再び、大きく歪む唇。


「《ちーちゃん、ひーちゃん、あそぼぉ?》」