あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

けれど、聖が美菜を何とも想っていないことも解っていたから。

だから特別に壊したいだとか無理矢理にでも諦めさせようだとかは思わなかった。不毛な恋心を傍で見て、安堵して笑う。どんどん下種になっていく自分にも笑える。それも長くは続かなかったけど。


「……美菜?」


夜の明けきらない、まだ薄暗く静かな早朝。

採光を目的に造られた二階の廊下端の小窓。そこで、彼女が見つめていたものは。ああ、そうか、そうなんだ。やっぱりどうしたって俺はその場所へと行けやしないんだな。追い詰められていた美菜が縋ったもの。微かな希望に瞳を濡らしていたもの。


「聖か?」


耳元で息を吹き掛けるように囁くと、美菜は大袈裟に跳ねた。


「っ、ちー、ちゃん…」


歪む、歪む、独占欲。