「っ゙、が……ぁ゙!」
「これは、警告だ。今後、俺に逆らうな。逆らったら俺、なにするかわかんないよ?お前はそこまでバカじゃないよな?」
笑顔とは裏腹に、美菜の首に食い込む指の力は強くなるばかり。
パクパクと口を大きく開いて喉を窄め、必死で酸素を取り込もうと藻掻く姿は金魚みたいで笑えた。顔も赤くなってきて丁度いい。
「これからの生活が楽しみだなあ、美菜」
「ゔっ……ぐ、…っ゙、あ゙!……げほ、げほっ……ぅ゙…」
美菜がよく着ていたお気に入りのワンピース。その裾が花のように広がって床に縫い付けられ、中心からありもしない蜜が溢れ出したような錯覚に陥った。無様なのに、穢らわしいのに、妙に惹きつけられて、高揚感すら覚える。心が荒ぶ、欲が滲む。
「まあ、仲良くやろう?」
「……ちーぢゃ、ごめ……待っ…」
美菜の言葉を遮って無慈悲に閉ざした扉。人の気配が遠い。そこに確かに在るはずなのに、遠くて、重くて、冷たい。
(最悪だな)
罪悪感と、虚無感と。胸の奥で混ざり合う複雑な感情は、やはり定まりはしなかった。定まらず、止まれず、自分自身を、見失う。



