あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

つり上がる口角を隠せなかった。

これから始まる第二のステージ。今度はどうやって追い詰めてやろうか。俺が味わった苦痛は、もっと、もっと、もっと…!


「……ちーちゃん?」
「ああ、よろしくな美菜」


久しぶりに成立した会話がよほど嬉しかったのか、控えめに微笑む美菜。彼女が僅かでも見せた笑顔はこれで最後。そして、最期の夏が迫る。後戻りの出来ない、取り返しのつかないあの夏の日が。


「美菜、向こうで話そうか?」
「っ、うん!」


廊下に伸びる二つの影は、幼い頃に手を繋いで歩いた畦道とは違い、一度も交わることはなかった。広がるばかりで縮まらない距離。それは、俺と美菜の関係そのもの。もう、なにもかも、遅い。

窓から差し込む優しい光は、眩し過ぎて明日すら見えない。

明日も、明後日も、ずっと。