あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─



あの、烏丸と名乗った週刊誌の記者が言っていた。


『ある一定の時期から美菜ちゃんは君達と一緒に居る時も笑わなくなったって、同級生の子達が言っていたよ?おかしいね、とても仲の良い〝友達〟だったんだろう?』


それは間違いなくこの時期だったと思う。

一緒に居ても俺達は美菜を無視していた。そこに居ないかのように扱い、虐げた。聖や幸次、綾に早紀はいつも苦々しい顔をしていたけれど、逆らうことはしない。


「……千秋」
「なに?」
「あ、や、なんでもない」


偽りの友情ごっこは続いていく。

復讐と呼ぶには稚拙な、悪ふざけの延長のような小さな変化。けれど、思春期の女の子にとって〝無視〟という行為がどれだけ辛いものなのかを、男の俺が理解できるはずもなかった。

当初の思惑とは違う形で、美菜の心はじわじわと追い詰められていく。それがまた、悲劇を呼ぶとも知らないで。最悪の方向へと道が逸れるとも知らないで。ただ、ただ、過ぎる日々。