あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

ぐらりと大きく揺れる視界。それに伴って不安定に一歩、二歩と後退する俺を、聖は力強く片手で支えてくれた。


「大丈夫か?」
「…ん、ああ、悪い。ちょっと暑さで眩暈が、な」
「足元も悪いからな、ここ」
「そうだな。そういえば、そうだ。気を付ける」


要らぬ心配をかけないように微笑んでみせる俺に、聖もまた同じものを返してくれる。そんな聖の柔らかな微笑みが過去の記憶と混ざり合い、胃の奥がじくじくと痛んだ。


「陽が暮れる前に行こう」


既に傾きかけている太陽が、常闇の世界を手招きしている。この森の闇は異常だ。深く、深く、暗い。深く、深く、哀しい。

小さくその場で深呼吸をし、ぐっと足の裏に力を入れて姿勢を正した。落としてしまっていた荷物も、もう一度しっかりと肩にかけて進行方向を見据える。ここで立ち止まるわけにはいかないから。