私、から俺、?

 教室の前まで来ると、先に兄貴が入っていった。

そして、今までうるさかった教室が一瞬静かになったと思ったらすぐまた騒ぎ出した。

すると、兄貴が出てきた。

「来い。」

その一言で、俺は男子モードに完璧に移った。

教室に入ると、むさ苦しい程に男子が沢山いた。

「久留壁梓です。よろしくお願いします。」

あいさつをすると、ざわつき始めた。

「久留壁って、飛鳥ちゃんと兄弟?」

ある男子が、兄貴に聞いてくる。

「そうだ。俺の弟だ。よろしく頼むな。」

そう言うと、気付かれないように俺に笑いかけてきた。