「なぎさ君、やっぱり人気だね」 「うん…顔は格好いいもんね」 「でも…ね、さすがにあずさが昔されていたことを考えたら…」 好きにはなれないかな、と付け足すように言った紗世。 紗世はお兄ちゃんと私との間に何があったかを知っている。 未だに昔を思い出すと過呼吸になる私は、まだ昔を引きずっている。 小さい頃はコワイという感情しか感じたことがなかった。 楽しい思い出は全て破壊され、身体も傷付き、あの頃は意味もわからず泣いてばかり。