「言っておくが、俺の授業が終わるまでは絶対許してやらねぇからな!!」

「やだぁ…!!そんなに大きなの、入らないよぉ!!」

「今の会話のどこに関連してるの!?先生ちょっと後悔しそう!教師になった事!!」

「ドンマイやナタティー。」

「お前が言うなぁぁあ!!!」


そんなやりとりが暫く続き、心が折れたナタティーが「心理カウンセラーに元気づけてもらいに行ってくるから自習な!!」と教室を走り出た事でようやく二人は解放された。

クラスが各々リラックスし、二人も存分に休み時間モード(いつもと変わらないが)になる。


「ったく…今日は散々だったぜ」

「まぁ、散々やない日の方が少ないけどな。"ケンカの虫"と"裏ではヤバい関西人"やし?」

「バッカじゃねーの。俺は売られたケンカを買ってるだけだっつの」

「俺なんか100%無実やで?裏はヤバいて…確かに裏の筋には弱いけど――」

「それダメ!流石にダメ!!っつーか1話でどんだけ下ネタ出してんだよ俺達!!なんか色々勘違いされそうじゃん!!」


弾が何やら訳の解らない事を言いながら楽しんでいると、二人の前に一人の生徒が立ち尽くす。

その生徒は、キッチリと制服を着こなし、鋭い瞳は髪と同じ漆黒の世界を映している。
そいつは程好く薄い唇を開くと、その清嘆な顔には似合わない言葉を吐き出した。


「ゲスが。」

「あ?何言ってんだお前」

「お前達のようなゲスが居るだけでクラスの治安が乱されるのだ。せめて隅で大人しくしておく事は出来ないのか?」

「すまんなぁ竜崎くん。別に俺ら、君を怒らせたい訳やないねん」

「更に質が悪いな。せいぜい目立たないよう努めてくれ」



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