アイドル様の秘密【下】


「どうしてここにいるの?」


灰夜が聞く。


「それは…」


「頭から聞いたよ。今日は平門組に挨拶に行くって。攻略結婚は僕には手も足も出ないよ。今更どうにかしてなんて言われても無理。」


灰夜は机に積まれている書類に目を通しながら言う。


「違う…。そんなことじゃないの…。」


「じゃぁなに?やっぱりまだ未練があるって…?」


灰夜は厳しい目をして言った。


「違う…そうじゃない…」


「じゃぁ何?俺は忙しいんだけど…」


「…パパとママのことだよ…」


飛沙がそう言うと灰夜の今まで勧めていた手が突然止まった。