(さすが…三大ヤクザって呼ばれてる程…雰囲気が違う…)


ゴクんっと喉を鳴らす。


「待ってました。〝帝王〝の姫……」


皮肉に笑う目の前の男。


「初めまして、俺は平門組の若頭、平門 雅也です。」


(こいつが……)


「初めまして、私は六条寺組の六条寺 飛沙です。」


「どうぞ座ってください。今日は俺たちの婚約の話ですよね?」


雅也はそう言った。


「初めにいいますけど、私あなたと婚約する気なんてこれっぽっちもないですから。」


「でもそちらの〝帝王〝が決めたことなのでは…?」


「祖父が決めたことでも私の意思は変わりません。あなたと婚約はしません。」


「そうですか……困りましたね………。そちらがその考えなら…おい」


雅也は近くにいた男に声をかけた。