神塚と元から聞いた話は私にとって、ショックだった。


『頭(かしら)は飛沙さんを平門組の若頭、平門 雅也と婚約させるおつもりです。』


『だから…お嬢は来週、平門組に顔を出さなくてはいけないと…』


平門組とは、この街の三大ヤクザのうち一つの組であり、


全国でも五本の指に入る程の大きい組。



六条寺組と龍門咲組に比べ最も恐れられている組として有名である。


「……や、嫌よ!!私は平門組なんて嫌!!」


飛沙はそう叫ぶ。


「落ち着いてください飛沙さん!!」


「嫌…嫌…私は…私は…私は優翔と……!!「飛沙!!」


神塚は飛沙の肩を持って言った。


「……大丈夫です。そんなことはさせません。何のために俺たちがいるんですか?俺たちは飛沙さん、お嬢を守るためにいるんです。お嬢が嫌がることはたとえ頭だったとしても俺は許しません。」


「かず…か……」


「そうっすよ。お嬢。俺は下っ端だったっすけど、お嬢のおかげでここまでこれたんっす。
お嬢は俺たちに沢山のものをくれました。俺はお嬢のためなら命なんて惜しくもないっす。だから…お嬢を守るのは俺たちっす。ね?神塚さん。」


「あたりめぇだ。」