「ごめんね千尋ちゃん・・・」
「え?」
「ほんとにごめん!!!」
「柚ちゃん?どうしたの?それに声大きいからちょっと・・・」
いきなり謝られた私は何がなんだかわからなかった。
謝るのは私の方なのに、なんで私が謝られているんだろう。
「私千尋ちゃんのことなにも知らないくせにいきなり話しかけたり、一匹狼とか言ったり・・・デリカシーのなさにも程があるよね。ほんとにごめんね。でももう大丈夫!一人になんてさせない。私が一緒にいるから。ね?」
「そんな・・・」
「だから、友達になってくれないかな?千尋ちゃん。」
「わ、私の方こそ・・・」
「友達になってほしい」って言いたかった。
言いたかったのに、優しく笑いながら話す柚ちゃんを見てたらいきなり涙が出てきて話すことができなかった。
こんなに優しいこと言ってくれる人なんて、柚ちゃんが初めてだ。
「千尋ちゃん?!あんなこと言って友達になってとか図々しすぎたかな?ごめ」
「違う!違うよ柚ちゃん!」
柚ちゃんが謝る前に私は大きな声で遮った。私こんなに大きい声出るんだ。
「こんな優しいこと言われたの初めてなの。すごく嬉しくて・・・」
「私がああやって言えたのは、千尋ちゃんが話してくれたから。言うのにも勇気必要だったよね。頑張ったね、言ってくれてありがとう。」
そう言って柚ちゃんが頭を撫でてくれた。そのせいでまた涙が出てきてしまった。今まで我慢していたものが溢れ出てくるように、ずっとずっと泣いていた。
