私達は学校の近くのファーストフード店に来た。
柚ちゃんはハンバーガーとメロンソーダ、私はポテトとアイスティーを頼み空いている席に腰を掛けた。
「ねえ、千尋ちゃんってさ、1年生のとき2組だったよね?」
「あ、うん。そうだけど・・・」
「やっぱり。私千尋ちゃんのこと知ってたよ!いつも一人でかっこいいなぁって。なんか女版一匹狼!って感じでさ。」
私のことを知っていてくれたのは嬉しいけど、女版一匹狼って・・・
「一匹狼って・・・」
私は少し困りながら笑って、アイスティーを一口飲んだ。
そして、柚ちゃんに人見知りのことについて話そうと決めた。なぜだか、柚ちゃんには言っておきたい、と思ったのだ。
「い、一匹狼なんて、かっこいいもんじゃないんだよ・・・。私ね、小さい頃から人見知りで、小学校以来友達ができたことないんだ。だから、好きで一人で行動してた訳じゃないの。ほんとは小さな行動でも友達と行動したいって思ってるんだ。」
この話を聞いて、柚ちゃんはどう思うだろう。かっこいいと思ってたのに、残念だと思われたかもしれない。格好悪いと思われたかもしれない。でも、私のことを知って欲しかった。
「そうだったんだ・・・。」
柚ちゃんの声のトーンが落ちた。
ああ、きっと思った通りの子じゃなくてがっかりされてる。言わなきゃよかったかな、こんなこと・・・
