「もうすぐ十一時になるのよ……!」
「コンビニに、買物にでも行ったとか……」
「七海子は引きこもりよ?
それに、私に無断でどこかに行くなんて、今までしなかったわ」
「……もう少し詳しく、あいつがいなくなった前後のことを教えて」
恐ろしい顔でまくし立てる花代さんを、何とか落ち着いて座らせる。
「……そういえば今日、七海子は……ちょっと、様子が変だった」
倫太郎は、――ああ、あれのせいだ、と気付く。
「話しかけても、気のない返事ばっかりで、いつもはご飯の後、居間でテレビを観ながらぐだぐだしてるのに、
今日は……すぐに部屋に引っ込んじゃったの」
「……それで」
「珍しいな、体調でも悪いのかしら、と思ったんだけど、訊いても答えないから、あまり追究しなかったのよ。
それで何時間かして、お風呂が沸いたから、入るように言ったんだけど、返事が無くて……」



