小学校の入学式まできた。そこで七海子は、ページをめくるのをやめた。
 

その次のページはもう、白紙だった。


それを知っていた。
 

未完成のアルバムは、新しく写真が撮られなくなった事を意味している。


同時に、製作者の死も……。
 


つまり、七海子の両親が死んだのは、この時期なのだ。


七海子の写真は、そこからぐっと減る。


遠足などの行事の集合写真が、学校から配られた分あるだけだ。


そういう写真は、未だに束のまま、無造作に輪ゴムで留めてある。


整理などしてもいない。
 


七海子は入学式の自分まできて、いつもその事に気付き、目を閉じる。