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――夜の街を、彼は彷徨っていた。
 

うろうろ、ふらふらと……。
 

誰も、彼に近付く人間はいなかった。


その瞳は、ぎらぎらと奇妙に光っている。


あまりにも薄気味の悪い彼は、怒りの表情を浮かべている。
 

夜の公園、住宅街、繁華街、藪の中……。


彼は、街の様々な場所を練り歩いた。


(どこだ……どこにいる……)
 

彼は、あるものを探していた。
 

うろうろ、ふらふら……。
 

彼の徘徊は止まない。
 

夜が明けるまで、続く。
 

彼の頭部に、見えない『角』が生えている事に、誰も気付かない……。