臆病者の鬼遊び




「謝ったの?」


「黙って逃げちゃった」


「こらこら」


「……後悔はしてる」


「うん」


「でもね、驚いたの。

あんなに、普段着の着物を見た事無かったから」


「そう?」
 

居間で、ごにょごにょと話していると、後ろから声がした。


「……向こうではいつもこれだった」


倫太郎が、短くぶっきらぼうに言った。


花代さんが、


「ああ、……そういえば本家では、お手伝いの人達も皆、和服だったわね」
 

と、一人で納得していた。


七海子がえーっと驚くと、「あら、覚えてない?」と首を傾げていた。



「んーと、本家には……お正月に、何回か義務のように挨拶に行ったけど……」