実は本家は、もっとずっと前に、花代さんにその事を記した手紙を送っていたのだった。


ただし、問題はその手紙が花代さん宛てだった事と、花代さんがしばらく家を留守にしていた事だった。


その間、手紙は『花代箱』と名付けられたお菓子の箱の中に収められ、誰にも読まれないでいた。


(七海子は、人の手紙を勝手に読むような教育は受けていない)

 
実は花代さんは、インドまで出張していた。

 
花代さんは、市内で婦人向けのブティックを一軒経営している。


いわゆる、オーナーという立場なのだ。