(この辺に野良犬なんて、いない……あれは、確実に『鬼』が食べた……)
『鬼』に憑かれた人間が罪を犯せば、それだけ『鬼』との親和性が強くなり、生命も汚くなっていく。
輪廻転生に持ち越す、永遠の穢れ。
天国や地獄というものは、全部人間の世界にあるという。
だから、罪人はきっと次の生で、地獄のような場所に生まれてくるのだろう。
そんな人を救うためにも、『木崎家』はいる。
これ以上、人が『鬼』の言いなりにならないように……。
けれど、七海子は止まらない連続殺人事件に怯えつつ、シカトを決め込んでいた。
……だって、自分に何をしろというのだ?
守ってくれる人のいない自分が『鬼』に立ち向かって、それで勝てる気もしなかった。
だったら、最初から何も関わらない方が、きっといい……。



