「でも、角を押さえれば、大丈夫でしょ?
今だって、そうだったもん」
「……いい。自力でねじ伏せる」
「無駄に疲れるだけじゃない」
「だって、危ないだろうが……」
「ん、でも今ので、ちょっと自信がついたよ。
次に何かあった時も、私が傍にいてあげる」
「何を、偉そうに……」
倫太郎は、彼女を嘲笑った。
しかし、七海子はきょとんとしていた。
本気だったからだ。
そのさまを見て、彼はどうしようもない気持ちになった。
彼は腕で自らの目元を覆い隠し、
「……馬鹿め」
と、いつものように、悪態を吐いた。
泣きそうな声で。……すん、と鼻を鳴らし、
「お前、そんなんだと、長生き出来ないぞ……」



