臆病者の鬼遊び

 


そして、倫太郎の普段の振舞いも、他人への刺々しい態度も、


いざという時に誰も傷付けないためなのではないかと思い、悲しくなった。


それが周囲への思いやりだと言うには、あまりにも寂し過ぎる。


君がそんな事をする必要は、無いよ。



「……お疲れ様」
 

なんとなく、それしか言えなかった。


それ以上の事を言ってしまうと、嫌がられるような気がした。


自分の考えていることが間違っていても、正解でも、


倫太郎はきっと七海子の言葉を拒む。



自分に優しくしようとする人間に、アレルギーを示す。