「……今度は、お前に助けられたな」 『今度は』――が意味するもの。 彼女は以前、押し入れに閉じこもった末に、バスタブに沈められた時の事を思い出した。 倫太郎が自分を発見し、応急処置までしてくれたのだと花代さんから聞いた。 それにしても、熱中症の応急処置って、何だろう? 「……怖い夢なら、私も時々みるよ……全然恰好悪い事じゃないから、大丈夫だよ」 なぐさめるように言うと、倫太郎は自嘲気味に笑った。 「夢なら……いいんだけどな、夢じゃない」 「さっき、乗っ取られる、って言ってたこと?」