臆病者の鬼遊び




気付けば、自然と膝枕をしていたが、恥ずかしがるような心の余裕など、無かった。


それでも、手は放さなかった。
 

――どれだけ時間が経過しただろうか。
 

七海子が再び目を開くと、倫太郎の角はすっかりもとの無色透明に戻っていた。
 

彼は目を閉じていたが、さっきとは比べ物にならないくらい安らかな表情になっていた。


すうすうと、落ち着いた呼吸を取り戻している。
 

ほんの一時的な、発作のようなものだったのだろうか。
 


見れば、彼が苛立って殴り付けた畳は、べこりと拳の形に凹んでいた。



よほど、強い力だったのだろう。



呆れていると、倫太郎が口を開いた。