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この太陽は、照らすものすべてをローストチキンにしたいんじゃないかと思いながら、学校を目指す……。
木崎七海子は、縁に白いレースのついたお気に入りの日傘を傾けながら、
川沿いの土手道をひょこひょこと歩いていた。
その足取りは、ちょっとおかしい。
彼女は、幼い頃に遭った事故の後遺症で、すこし足が不自由なのだった。
しかし、普通に歩く分には、それほど不便は感じていない。
七海子は殺人的な夏の日差しを日傘でやり過ごし、
教室に到着するや否や、机にぐでーっと突っ伏した。
椅子の金属部分が冷たくて気持ち良いので、少しばかりスカートを捲り上げ、直接肌に密着させる。
とても見苦しい光景だったが、皆やっていたので抵抗はなかった。
例え、それが男子の前だろうと。