臆病者の鬼遊び




言った途端に彼は突然カッと目を開き、ものすごい勢いで七海子の腕を掴んだ。


静脈が内出血を起こしている方の腕だったので、七海子は痛みに呻いた。
 


しかも、倫太郎は寝ぼけて混乱しているのか、力を緩めなかった。


視界がぐるりと反転した。
 

突然、ぎゅっと息が出来なくなる。
 


気付くと、倫太郎は七海子の胸部を膝で圧迫し、もう片方の手で彼女の首を絞めていた。
 


彼は怯えているような、驚いているような、


そんな奇妙な表情で固まっていた。


七海子には、訳が分からない。


ただ、一瞬にして体の自由を奪われ、危機に瀕している事は理解した。