「ふうん、そうだったの」 「ああ。 まあ……あとは、心の問題だな。 あいつも、幼い頃に私達から受けた仕打ちや、鬼が断続的にもたらす重い闇を、ずっと抱えてきているだろうから……」 「あら。それだったら、七海子だって……。 すっかり忘れてしまって、能天気な今ではあるけれど……」 花代は女中にお茶のお代わりを頼みながら、 今頃、七海子はどうしているだろうと思った。 こんな山奥では、携帯電話の電波も繋がりやしない。 木崎家の人間としても、保護者としても、花代の心配ごとは尽きない。