(本当に、この世は上手くいかない事が多いわ……。
必要なものは、それを欲している人のところへは来ない。
むしろいらないと、迷惑がっている人のところに平気で転がり込んでくる……)
「でも……従兄妹じゃ、血が近すぎやしないかしら。心配だわ」
「またその話に戻るのか。
なに、心配ないだろう。
昔はよくあった話だ」
「でしょうね。
きちんと子供が生まれるかどうかは、分からないわけだし」
「そこまで飛躍するのか」
「……だって、倫太郎の体は結局は、鬼のものでしょう?
乗っ取りが成立している状態とはいえ、無事に人並みの幸せが掴めるものかと……」
心配して視線を泳がせると、花代はまた才蔵に笑われた。
「なによ。あんたの息子の事じゃない」
じろりと睨むと、
「いや――仮に鬼の影響があるとはいえ、倫太郎の体は、倫太郎のものさ。
小さい頃は、パワーバランスが逆転してたけどな。
体の成長に伴って、徐々に倫太郎が克ってきている。
姿かたちも人間らしくなるのも、時間の問題だろうさ」



