七海子が幼い頃に、二人揃って死んでしまったのだ。

だから七海子は今、父の妹である叔母の花代さんと暮している。


ちなみに、花代さんは『鬼』退治の適性を少々欠いているらしく、割と自由な仕事をしている。

本家の人達は、やることなす事すべて『上』の人間に指図されて、

とてもじゃないが自分でやりたい仕事を選ぶなんて出来ないらしい。


けれども、花代さんは自分で自分のことを「後方支援」と呼び、本家との繋がりもあまり強くなかった。


だから七海子は、花代さんの庇護のもと、のんびりと育った。


七海子の家は広い平屋建ての日本家屋で、とても古い。

石燈籠の付きの庭や離れ、蔵まであって、その上更にぐるりと塀で囲まれていて、


ぱっと見はいかにも『お屋敷』だが、とにかく古い。


……古い。