臆病者の鬼遊び

 


七海子は驚いたように目を見開き、


「そう、そうなの! 


……倫太郎君は、本当は、ちゃんと優しいんだよ。


意地悪だけど!」
 

七海子の頬が、すこしだけ紅潮している。
 

一生懸命で可愛かった。


「ぶっ……優しくて意地悪って、矛盾してるでしょ」


「そうかな……?」
 

七海子は、困ったように首を傾げながら、オレンジジュースに手を伸ばした。


距離感を見誤って指でストローを弾きそうになり、ぱっと両手で受け止める。


まっちもびっくりしたが、本人もびっくりしているようだった。


七海子が、日常的によくやるミスだ。
 

その一挙手一投足に、いちいち目がいってしまう。
 

七海子と一緒にいると、庇護欲をかきたてられる。