臆病者の鬼遊び

 


しかも、七海子がしょんぼりと、肩を落としたのが目に入った。
 

……こんな身勝手な従兄と一緒に暮らしている七海子は、


普段、どれだけこいつに気を遣っているのだろう。


哀れでならない。


「……行こう!」


「うん」
 

まっちは七海子の手を引いた。


もちろん、痛くない方の手を。
 

そして、二人で機種を吟味しているところに、倫太郎が戻ってきた。


「せめて、これで冷やしとけ」
 

彼は七海子に、冷えたコーラの缶を手渡した。


「あ、ありがとう……」
 

正直、面倒だしそんな必要もないと思ったのだが、手首が痛いのは事実だったので、ありがたく缶を手首に当てた。


 
一方で、まっちは二重にダメージを受けていた。


倫太郎のほうが、何枚も上手なのだ。
 

自分なんて到底、敵いっこない……。
 

競ってるわけでもないのに、そう思った。