臆病者の鬼遊び

 


曲が終わり、スコアのトップに君臨した彼に、七海子は輝いた目で言った。


「すごーい、この曲知ってるの?」
 

倫太郎は憮然としながら、


「いや、はじめて聞いた」


「私、何回も聞いてるのに、点数ひくいぃ……」


「リズムが分かってても、腕がついていってないんだろ」


こうして見てると、何だか普通の恋人同士みたいだ……。


まっちは、『私はお邪魔かしら』と、寂しい気持ちになった。


でも、何かと七海子が助けを求めるように寄って来るので、


『ああ、やっぱりまだ、ちょっとは彼の事が怖いんじゃない』と優しい気持ちになったりした。
 


しかしそのうち、三つある音ゲーのカラフルなボタンのうちの一つを、ずっと手首で叩いていた七海子が、


「破裂した……」
 

と白状した。


慌てて見ると、バレーボールをやったわけでもないのに、


見事に七海子の左手の静脈が内出血して、真赤に腫れていた。