臆病者の鬼遊び




昼休みに、まっちが椅子を引きながら「今日どうする?」と言った。


実は今日は、講習の後に二人でゲームセンターに行こう、と言う約束をしていたのである。


「えっと……」
 

七海子は、教室の隅の席で、つまらなそうにただ弁当を咀嚼している倫太郎にちらりと目をやった。


(今日は、ちゃんと言えば、大丈夫だよね……?)
 

そして、昨日教えられたアドレスに、『今日の放課後、まっちと遊びに行きます』というメールを送った。


するとほどなくして、携帯電話を開いた倫太郎が、こちらをぎろりと睨み付け、


「言いたいことがあるなら、口で言えばいいだろうが!」


「わあああ、ごめんなさい!」
 

再び教室じゅうが騒然となり、弁当を平らげた倫太郎はいつものように教室から姿を消してしまった。