そんな事を、心配してくれたの……。
七海子は、何やら倫太郎の必死な様子を眺めているうちに、おかしな気分になってきた。
本当は、心配なんかされなくたって、膝にも腕にも、一生消えないだろう傷がいくつかある。
不注意のせいか、転んだりどこかにぶつけたりと、物心ついた時から、七海子は小さな傷が絶えなかった。
そして、倫太郎の言う事を聞いて、大人しく冷水を触っていた七海子だったが、今度は手が紫になるまでやってしまい、
「加減というものを知らないのか」と、また怒られた。
そんなふうに何度か怒鳴られているうちに、一日目はドタバタと更けていった。



