臆病者の鬼遊び

 


予想より割り増しで怖い倫太郎だったが、ふと七海子はある疑問を口にした。


「そういえば今日、倫太郎君は一日どこに行ってたの……?」


「ずっと家にいた」


「え、だって夏期講習は……?」
 

そういえば、今日一日、学校で倫太郎の姿を見なかったな、と思った。
 

しかし彼がサボるのは今に始まった話でもないので、あまり気にはしていなかったのだが……。


「……夏期講習?」
 

倫太郎は、眉をひそめた。
 

七海子は慌てて鞄からプリントを出し、予定表を掲げた。
 

来週の金曜まで組まれた特別な時間割を、指で示す。


「…………」


「…………」
 

いやな沈黙が流れた。