臆病者の鬼遊び




一日目。


もう家に帰っても花代さんがいない事は知っていたので、七海子はギリギリまで学校で粘った。
 

与えられた宿題を片付ける、という名目で、まっちと教室にこもり続けた。


最初のうちこそ二人とも真面目に勉強していたが、そのうち勉強以外の質問が飛び交い、


二人の間にお菓子の箱が置かれると、教科書そっちのけでお喋りが始まった。
 

楽しかった。
 

バスケ部のまっち曰く、夏期講習の間だけは部活も免除になるらしく、


放課後にいつも教室でバイバイする二人が、こうして長時間お喋りに興じるのは本当に久し振りだった。
 

しかし、夏休み中の学校の閉鎖は早い。
 

結局、七海子達は見回りの先生にさっさと追い出されてしまい、とぼとぼと帰り道を目指した。


「日が伸びたねぇ」
 

空を見上げながら、七海子が言った。


「ほんと。こう明るいと、今何時か分かんなくなっちゃう……」