意識したくないのに、顔がどんどん赤くなってしまう。
手元が怪しくなり、フライパンで炒めている野菜が少々コンロに飛び散った。
悟られないようにぱっと拾い、ゴミ箱に投げる。
動作一つ一つに気を配り、更に焦ってしまう。
しかし花代さんは、不思議そうに首を傾げると、
「でも、二人なら寂しくないから、大丈夫でしょ……?」
論点がずれている。
なのに、この危機感を口にするのは、何故だかとても恥ずかしくて、結局七海子には言えなかった。
「……なるべく早く帰って来てね」
観念したように七海子が呻くと、
「はいはい」
花代さんは、唇を尖らせる七海子の頭を、ぽんぽんと軽く撫でた。
かくして、七海子の四日間防衛戦略は始まった。



