臆病者の鬼遊び




やがて、倫太郎はおもむろに尋ねた。


「……猫、好きなのか」


「うん、大好き」


「引っ掻かれてもか」


「よくある事だと思うし、こんなことくらいじゃ、私はタビちゃんを嫌いにならないよ」


「ふん……」
 

倫太郎は、つまらなそうに鼻を鳴らした。
 

一方で七海子は言いにくそうに、


「あの……」


「何だよ」


「今すぐ、脱いで」
 

………。
 

倫太郎は、大袈裟に思考停止した。


「………なんで」


「だって、今、血が付いちゃったから……染みが残っちゃう」


「手当てが先だろうが!」


「あ、忘れてた」


「馬鹿め」