臆病者の鬼遊び




「あ、この子はご近所さんが飼ってるタビちゃんっていって……」
 

すると、タビちゃんは背中と尻尾をぶわっと逆立たせ、フーッ! っと威嚇を始めた。


「あれ、どうしたのタビちゃん……!」


「ふん……どうやらこの猫、俺の事が分かるみたいだな……」
 

するとタビちゃんは、喉も裂けよと凄い声で鳴き叫び始めた。


とにかく大声で鳴いて、鳴いて、まるでサイレンみたいだった。


こんな小さな体の、どこからそんな力が出てくるんだろう。


「タビちゃん、タビちゃん」


 
何とか宥めようとした。
 

しかし、うかつに手を出した七海子は、びっくりしたタビちゃんに思いっ切り引っ掻かれた。


「わっ……!」