臆病者の鬼遊び

 


あれこれと考えていると、倫太郎が舌打ちをして、七海子をつき離した。


「……ばか」


彼は、そのまま風呂場を立ち去った。


花代さんは水道を止めながら、何が起こったのかを教えてくれた。



「もう、大変だったのよ。


七海子がどこに行っちゃったかと思って……


そしたら、リンタロ君が押し入れにいたあなたを見付けてくれてね。


で、七海子が熱中症起こしてるっぽかったから、慌てて水風呂張って、それで……」



「熱中症……」


 
それが自分の症状の正しい名称かはさておき、


言われてみると、確かに喉が渇いている気がした。


七海子は改めて、花代さんに渡されたペットボトルに口を付けた。


何故か、中身はもうほとんど入っていなかったが。