淡々と似たような日常を繰り返していた日々は、気付かない内に自分を蝕んでいたのだと思う。
その日は何故かやたらと人と話をする機会が多くて、新しい発見や気付きがあって――それは別に、『良い事』に限った話でもなかったけれど。
それらが少しずつ刺激になり、また新しい発見を呼んだ。
数珠繋ぎにその連鎖は膨らんで行って、単調だった毎日にはちょっとした起伏が生まれた。
ううん、ひとつひとつは本当に小さな出来事で。
多分今までは注意を向けてこなかった、だから見落としていた事。
私の生活や周りが突然ガラリと変わったわけではなく、ただ少し視野が広がっただけなのかもしれない。
例えばその連鎖の内のひとつは、有希さんから聞いた話のおかげで、重たい現金袋を運ぶレジ締め作業が楽しくなったから起こった。
上機嫌で現金袋を届けると、金庫室の係のおじさんが、それまでの事務的な対応とは違った一声をかけてくれるようになった。
何日かそんな日が続いたある日、おじさんは「お疲れ様」とささやかなお菓子をくれた。
その話をしながら貰ったお菓子をパートさんに分けたら、意外な話を教えられる。
あのおじさんがお菓子をくれるのは信頼の証なのだと。
金庫の番人である彼からの信頼は、要するに一レジ担当として『お墨付き』を貰ったのと同じこと――なのだと。
少し自信を持てて気を良くした私は、それまでは年の近い友達とばかり一緒に取っていた休憩を、積極的にレジのパートさんたちに混じって取るようになった。
タケやナツ達とは自然と休憩時間を一緒に過ごすことが少なくなったせいか、奇妙に穏やかで、のびのびとした日々だった。
その間もアツシが例の計画を拡散・進行してくれていたし、バイトの帰りには遅番組とは話も出来るしで、疎遠になってしまったというワケでもない。
実際私も他のみんなもその日を楽しみにしていたし、それは凄く、『丁度良い』距離感だった。
その日は何故かやたらと人と話をする機会が多くて、新しい発見や気付きがあって――それは別に、『良い事』に限った話でもなかったけれど。
それらが少しずつ刺激になり、また新しい発見を呼んだ。
数珠繋ぎにその連鎖は膨らんで行って、単調だった毎日にはちょっとした起伏が生まれた。
ううん、ひとつひとつは本当に小さな出来事で。
多分今までは注意を向けてこなかった、だから見落としていた事。
私の生活や周りが突然ガラリと変わったわけではなく、ただ少し視野が広がっただけなのかもしれない。
例えばその連鎖の内のひとつは、有希さんから聞いた話のおかげで、重たい現金袋を運ぶレジ締め作業が楽しくなったから起こった。
上機嫌で現金袋を届けると、金庫室の係のおじさんが、それまでの事務的な対応とは違った一声をかけてくれるようになった。
何日かそんな日が続いたある日、おじさんは「お疲れ様」とささやかなお菓子をくれた。
その話をしながら貰ったお菓子をパートさんに分けたら、意外な話を教えられる。
あのおじさんがお菓子をくれるのは信頼の証なのだと。
金庫の番人である彼からの信頼は、要するに一レジ担当として『お墨付き』を貰ったのと同じこと――なのだと。
少し自信を持てて気を良くした私は、それまでは年の近い友達とばかり一緒に取っていた休憩を、積極的にレジのパートさんたちに混じって取るようになった。
タケやナツ達とは自然と休憩時間を一緒に過ごすことが少なくなったせいか、奇妙に穏やかで、のびのびとした日々だった。
その間もアツシが例の計画を拡散・進行してくれていたし、バイトの帰りには遅番組とは話も出来るしで、疎遠になってしまったというワケでもない。
実際私も他のみんなもその日を楽しみにしていたし、それは凄く、『丁度良い』距離感だった。



