地下に戻ると、休憩前の暇さが嘘のように、既にレジ待ちのお客様の列が伸び始めていた。
心なしか混み始める時間がいつもより早まっている気がするのは、やっぱり夏休みの影響なんだろうか。
夏休みが生活パターンに与える影響は、職種や家族構成によって差があると思うのだけど……。
このまま延々といつものラッシュ時まで混むかもしれないと思うと、若干血の気が引いた。
休憩中に起きた良いことも悪いことも有希さんに聞いてもらいたかったのだけど、とてもじゃないがそんな時間は取れそうになかった。
そうでなくてもお客様が途切れないのに、この時間も順番に休憩を回さなくてはいけない。
有希さんと、別のレジに入っていたもう1人が同時に休憩に抜けた。
2人制で回している時には3、4人の列はそう焦るほどではない。
けれど1人制だと金銭授受の間待っている人に背を向ける瞬間があり、背中から妙なプレッシャーを感じる。
そんな時こそ慎重に、ミスや失礼のないよう、顔には出さずに急がないといけないから大変だ。
自然、他のことを考えている余裕はなくなる。
全体的に、列が少し伸びた――。
そう気が付いた時に、久しぶりにレジ応援を呼ぶ店内放送が入って少しホッとした。
すぐに助っ人にやってきた人を見て、多少顔は引きつったけれど。
「催事場のイベントが終わって人が流れて来てるだけだ。すぐ引くだろ」
いつの間に、混雑時にもレジに入れるようになったのか。
ユウくんのレジ捌きは、私が教えて練習していた頃とは比べ物にならないほどスムーズになっていた。
「イベントあったんだ、知らなかった」
小さな声で隣と会話しながら、カゴの中身が少ないお客様の商品を、ユウくんがスキャンすると同時に袋に詰めていく。
分かっているのか、ユウくんはちゃんと重たいものを先に流してくれる。
「1056円になります。――勉強しとけ、そんくらい」
接客と私への罵倒の声量を上手に使いこなすユウくんの器用さは、惚れ惚れするほど憎たらしかった。
心なしか混み始める時間がいつもより早まっている気がするのは、やっぱり夏休みの影響なんだろうか。
夏休みが生活パターンに与える影響は、職種や家族構成によって差があると思うのだけど……。
このまま延々といつものラッシュ時まで混むかもしれないと思うと、若干血の気が引いた。
休憩中に起きた良いことも悪いことも有希さんに聞いてもらいたかったのだけど、とてもじゃないがそんな時間は取れそうになかった。
そうでなくてもお客様が途切れないのに、この時間も順番に休憩を回さなくてはいけない。
有希さんと、別のレジに入っていたもう1人が同時に休憩に抜けた。
2人制で回している時には3、4人の列はそう焦るほどではない。
けれど1人制だと金銭授受の間待っている人に背を向ける瞬間があり、背中から妙なプレッシャーを感じる。
そんな時こそ慎重に、ミスや失礼のないよう、顔には出さずに急がないといけないから大変だ。
自然、他のことを考えている余裕はなくなる。
全体的に、列が少し伸びた――。
そう気が付いた時に、久しぶりにレジ応援を呼ぶ店内放送が入って少しホッとした。
すぐに助っ人にやってきた人を見て、多少顔は引きつったけれど。
「催事場のイベントが終わって人が流れて来てるだけだ。すぐ引くだろ」
いつの間に、混雑時にもレジに入れるようになったのか。
ユウくんのレジ捌きは、私が教えて練習していた頃とは比べ物にならないほどスムーズになっていた。
「イベントあったんだ、知らなかった」
小さな声で隣と会話しながら、カゴの中身が少ないお客様の商品を、ユウくんがスキャンすると同時に袋に詰めていく。
分かっているのか、ユウくんはちゃんと重たいものを先に流してくれる。
「1056円になります。――勉強しとけ、そんくらい」
接客と私への罵倒の声量を上手に使いこなすユウくんの器用さは、惚れ惚れするほど憎たらしかった。



