「あの子、地味で大人しい高校生だったのよー。最初から一生懸命ではあったけど、えらい不器用でね」
「ほ、本当だったんだ……」
さっき有希さんに聞かされた時にはどうにも真実味を感じられなかった昔話に、パートさんが色を着けていく。
有希さんはバイト歴長そうだと思ってはいたけれど、高校からずっと続けてきたとは知らなかった。
その頃から見守ってきたパートさんにしたら娘みたいに思っているのか、有希さんの変化や成長を嬉しそうに、そして少し淋しそうに話す。
「大学生になって、急に垢抜けて……まあ悪い言い方かもしれないけど、派手になって。だから昔の彼女を知らないパートさんなんかには目を付けられたりもしてね、一時、少し可哀相なこともあったけど」
「え、そうなんですか!?」
「そうよー。数字が合わなかった時なんか、『絶対あの子だ』なんて陰口叩かれて」
レジに入力された金額と最終的に現金袋に入っていた金額が合わなければ、数字の打ち間違えなど怪しい金銭授受がなかったか、翌日ジャーナルをチェックすることになっている。
基本的には朝一から行われる作業だから、学生バイトには機会が無い仕事だ。
小さな数字を延々と追いかける作業はかなり骨が折れるらしくて、その苛立ちの矛先が有希さんに向いたらしかった。
「でもあの子は、逃げ出しも投げ出しもしなかった。ちゃんと自分の仕事して信頼を勝ち取ったのよ、偉かったわ」
どこか誇らしげにそんな風に語られる有希さんが、羨ましかった。
私も、そんな風に誰かに認められたい。
そのためにも、やるべきことをしっかりやらねば。
決意を胸に1人ぐっと拳を作っていると、「何、鼻息荒くしちゃって」とパートさんに笑われてしまった。
「あは……私もしっかり仕事して、信頼を勝ち取りたいなと、決意を新たに」
照れ笑いを浮かべながらも正直に話したのは、話を聞いている内に私が相手に気を許したからだと思う。
有希さんにしたように私のことも見てて欲しいと――、頼り、甘えたがっているからだ、きっと。
「ほ、本当だったんだ……」
さっき有希さんに聞かされた時にはどうにも真実味を感じられなかった昔話に、パートさんが色を着けていく。
有希さんはバイト歴長そうだと思ってはいたけれど、高校からずっと続けてきたとは知らなかった。
その頃から見守ってきたパートさんにしたら娘みたいに思っているのか、有希さんの変化や成長を嬉しそうに、そして少し淋しそうに話す。
「大学生になって、急に垢抜けて……まあ悪い言い方かもしれないけど、派手になって。だから昔の彼女を知らないパートさんなんかには目を付けられたりもしてね、一時、少し可哀相なこともあったけど」
「え、そうなんですか!?」
「そうよー。数字が合わなかった時なんか、『絶対あの子だ』なんて陰口叩かれて」
レジに入力された金額と最終的に現金袋に入っていた金額が合わなければ、数字の打ち間違えなど怪しい金銭授受がなかったか、翌日ジャーナルをチェックすることになっている。
基本的には朝一から行われる作業だから、学生バイトには機会が無い仕事だ。
小さな数字を延々と追いかける作業はかなり骨が折れるらしくて、その苛立ちの矛先が有希さんに向いたらしかった。
「でもあの子は、逃げ出しも投げ出しもしなかった。ちゃんと自分の仕事して信頼を勝ち取ったのよ、偉かったわ」
どこか誇らしげにそんな風に語られる有希さんが、羨ましかった。
私も、そんな風に誰かに認められたい。
そのためにも、やるべきことをしっかりやらねば。
決意を胸に1人ぐっと拳を作っていると、「何、鼻息荒くしちゃって」とパートさんに笑われてしまった。
「あは……私もしっかり仕事して、信頼を勝ち取りたいなと、決意を新たに」
照れ笑いを浮かべながらも正直に話したのは、話を聞いている内に私が相手に気を許したからだと思う。
有希さんにしたように私のことも見てて欲しいと――、頼り、甘えたがっているからだ、きっと。



